シニョーリア広場からアルノ川に向かって歩いていくと、すぐに美術館前の広場に出る。
ミケランジェロや、ジョット、ダ・ビンチといった等身大ほどの大きな彫刻が出迎えてくれるのですぐに分かる。
この建物が、そう、ウフィツィ美術館だ。
世界中から観光客が訪れ、いつも行列ができているが、 朝早くか夕方に行くとわりあいスムーズに入れる。
フィレンツェの街全体が、ルネッサンス芸術の宝庫だけど、ここウフィツィは絵画を中心に おしげもなくルネッサンスの作品を見せてくれる。
3世紀から18世紀の歴史に思いをはせながら、イタリアを堪能できる。
ウフィッツィとはイタリア語で”事務所”という意味。 初めは今まで使っていたヴェッキオ宮が狭くなったということで、 ここウフィツィを建て、メディチ家のコジモ1世が事務所として使っていた。
が、彼の後を継いだフランチェスコ1世が、 それまでにメディチ家の当主が集めてきた美術品の数々を展示したのが始まり。 16世紀には市民も見学できる美術館になった。
メディチ家直系最後の女性、アンナ・マリア・ルイーボは、オーストリアのハプスブルク家に嫁ぐ時、 ここウフィツィのコレクションを守るために、
当時フィレンツェを治めていたトスカーナ公国に全てを寄付。但し、今後一切ここのコレクションは 他国に出さないということを条件にしたという。こうしてルネッサンスの至宝たちはなおこの地に守られている。
何日もかけてゆっくりと鑑賞しても飽きないけれど、 絵や彫刻に没頭してルネッサンスを堪能する、 フィレンツェではそんな1日をおすすめする。
古代から18世紀までの絵画が、部屋の番号順に並んでいるので、 とても分かりやすい。
まずは、ルネッサンス絵画の至宝と呼ばれる、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」
教会の権力に対し、裸の女性をテーマにしたこの絵は、ルネッサンスならではのもの。 続いて、「春」。 ミケランジェロの「聖家族」 ダ・ビンチの「受胎告知」と、素晴らしい絵が目の前にこれでもかと現れる。 |