ドゥオモ
ミラノの散歩は、この街のシンボル、ドゥオモから。
このドゥオモはイタリア最大のゴシック建築で、 14Cに、ヴィスコンティの命で工事が始まった。
が、完成はなんと500年以上も後の19C半ばというから、ヨーロッパにながれる時間の悠久さに驚かされる。
イタリアにはフィレンツェにもヴァチカンにもドゥオモはあるが、 イタリア人にとっての1番のドゥオモは、このミラノのものらしい。
外側は、大理石でできていて、雨の日にはややグレーに、陽が照るとセピア色の輝いてみえる。
前面のハザード建築には、この地を征服したあのナポレオンも一役かっている。
入口の青銅製の扉は、それぞれ「コンスタンチヌスの勅令」「聖アンブロージョの生涯」
「聖マリアの生涯」「ミラノの歴史」「ドゥオモの歴史」 の5つの物語が彫られている。
そう思って見てみると、入口ひとつがとても興味深くて立ち止まってしまう。
この高い高いドゥオモ、一番高いところで110メートル、 頂上には4メートルものマリア像がたっている。
階段かエレベーターで上まで昇れるので、次回は階段で挑戦してみるつもり。
ミラノ市内の眺望がすばらしいという。
さて、中に入ると、そこは厳かな世界。 ステンドグラスに見入って、心奪われる。
こういったステンドグラスに描かれた模様は、聖書の内容であることが多い。
古くは文字を読めない人も多かったので、こうしてステンドグラスや絵に描いて、
多くの人に知らしめたという。 そういえば、この時期の絵画は、ほとんど聖書から題材をとったものばかり。
「受胎告知」「ピエタ」「最後の晩餐」など。
ドゥオモ前広場は、市民の憩いの場になっていて、 ハトと一緒にボーッとするのもいい。
ドゥオモに登る数段の低い階段に、旅行客や市民が腰をおろして広場を眺めている。
その風景が心地よくて・・・・ そういえば、パリのオペラ座に入る階段(これは何段もあるが)にも、たくさんの人が、
なんとなく腰をおろして時をすごしているのをみている。 座ることで、後ろの建物と時代をこえて一体になったような気分になれるのだろうか。
自分がそこに同化できるようで、うれしい。
今回は、ドゥオモ正面左横にあるデパート”ラ・リナシェンテ”の食堂でパスタランチを
とる。 目の前にドゥオモの上の部分が見えて、すばらしかった。 写真は去年ミラノで食べたミラノの代表的な食べ物”ミラノ風カツレツ”
牛肉をうすくうすくのばしてパン粉をつけ、 揚げるというより、少しの油で焼いたかんじのもの。
大きい! 味は塩でついてるので、日本のようにソースをかけることはない。
このままで、じゅうぶんジューシイな美味しさだった。
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