カルチェ・ラタン



パリの通りの代名詞にもなっている、カルチェ・ラタン

カルチェ・ラタンでお茶を飲みながら、人生を語り合うなんて、一度は憧れた。 午後2時頃までは上の写真のように、花屋や果物屋の露店が並んで、いい雰囲気。 ぶらぶら歩くには、ちょうどいい街なのだ。 カルチェ・ラタンとは、ラテン語地区という意味で、 界隈にはソルボンヌ大学などがある。昔から学生達が、自由に哲学や芸術を 語り合っていたという。 その時代の言葉がラテン語だったということだろうか。 今もその歴史は受け継がれていて、大学教授やジャーナリストが、午後のひとときをコーヒー 片手に時代を語り合う。

中でも有名なのが、カフェ・マゴとカフェ・フロール。 「第二次世界大戦後の文化はここを発祥地としている」といっても過言ではないほどで、 サルトルやボーボワール、カミュといった哲学の巨匠たちや作家が、友と語り、文化を創造していった。 さて、私達もカフェ・マゴでお茶を・・・・。 昔の気分に浸って〜といきたいところだったが、 とにかく狭くて。 その上、みんなおしゃべりに花が咲いて、わいわい、がやがや。 今や観光地化してしまったのかなと、感じた。

といっても、マゴの前にはパリ最古の”サン・ジェルマン教会”が、 6世紀ロマネスク様式で堂々とたたずんでいる。ここには17世紀の哲学者”デカルト”のお墓があるし、 フランシスコ・ザビエルの聖室もあるという、由緒正しい教会だ。 その前をびゅんびゅん行き交う車と、斜め前のイタリアブランド、エンポリオ・アルマーニの姿がとても対照的。 1000年以上の時を超えて、古いものも新しいものもふんわり包み込んでしまう。 これが歴史あるパリの、本当の顔なのかもしれない。

上の写真はサンジェルマン通り(カルチェ・ラタンのメインの通 り) に建つアンドレ・マルロー像。 20世紀の作歌で 「希望」や「人間の条件」といった、作品を残した。 後に教育大臣も務めている。