バスで立ち寄ったファティマは小さな街だけど、”奇跡の街”として有名なところだ。
ガイドさんの話に耳を傾ける〜。
なんとファティマは聖母マリアの奇跡を記念して、バジリカを建てるためだけにできた街だという。
訪れた日は雨あがりで人もまばらだったけど、広場はなんと30万人もの人が入れる大きさ。
ポルトガル中から祈りを捧げる人々が集まってくる。
信者は広場の左にある決められた道を、祈りながら膝で進んでいく。
ローマのサンタ・クララ教会にあったキリスト最後の道、ゴルゴダの丘に続く階段を膝で進んでいた信者の姿と重なる。
広場の真ん中に立ってみた。
信者でない私には、この広さがなんとなくがらんとした印象だ。
広場前には土産物屋がいっぱい。奇跡に関連したグッズが並んでいる。



バジリカ
奇跡と聞いていたので、古い建物をイメージしていたが目の前にそびえるのは
新しい建物。それもそのはず、これらは20世紀半ばに建てられた。半円形に広がる円柱の前の広大な広場。とにかくお祈りをして”奇跡のコイン”を購入した。

ファティマに伝わる”軌跡”の話

19世紀初めのこと、ファティマに住む3人の子どもが、羊飼いをしていたところ、突然天がわれてマリアが現れ「ここに礼拝堂を建てるように」と告げた。
同時に「第1次世界大戦がもうすぐ終わるから」と告げたという。
なんとその後すぐに大戦は終結。
世界に平和が訪れた。
また、「これを記念してコインをつくるように」とのお告げも残し、コインのデザインまで子どもたちに示したといわれている。
敬虔なカトリック教徒の多いポルトガル、お告げとおりに礼拝堂を建てコインもつくった。
聖母マリアに祈りを捧げる人々が国中から後をたたない。
たた、この話のかげには悲しい伝えもある。
お告げを聞いた3人の子どものうち、「2人は幼くして神に召される」ともマリアの言い残し、その通りになったという。
パリにも奇跡のコイン教会がある。
同じような言い伝えがあり、マリアがデザインされたコインを購入することができる。
お守りとして貴重なものだ。