11月に訪れたナザレは聞いていたとおり、ひなびた漁師町という表現がピッタリだ。
ポルトガルの名物料理にはイワシやタコ、タラをつかったものが多い。イワシなどは塩でグリルする(焼く)というほとんど日本と同じ味付けのものがあり、イワシの南蛮漬けなどにもお目にかかる。
エビやタコはスープにしたりと、毎日のポルトガルの食事で困ることはほとんどない。ナザレはそんな海鮮食材の宝庫。
夏には海辺で獲れた魚を天日干しにする作業風景をあちこちで見かけるという。
日本の干物と同じだ。
その作業をする女性が全身黒い衣装に 身を包んでいるのに驚くが、夫を海で失った女性はこうした黒い服で暮らすのが風習だという。

ナザレに泊まった日は夕方から嵐の気配。すぐそこの海からはものすごい波の音。
夜半には落雷と嵐も本格的になってきた。
ホテルの窓からのぞく空には、稲妻が走りドーンという雷の音が続いて眠れなかった。途端に停電!

なんと今日は私の何回目かの誕生日だっていうのに・・・。
西の果てポルトガルの漁師町で、ドラマチックな1年の幕開けになりそう。
「このままじゃ、お風呂にも入れなくなる」とひらめいた私と友人は、ホテルのタンクにお湯が残っている間にーと入浴という行動に出た。