1995年登録 。シントラ山系の山の間に、突然現れるおとぎ話にでてくるような町は、歴代の王様の避暑地として栄えた。 ポルトガルの西の果て、ロカ岬にも近い。 その後も資産家やブルジョワ階級の人々が、次々とここに別荘を建て、”中世の箱庭”とまで言われた。
イギリスの詩人バイロンもここを訪れて”この世のエデン”と称えている。 この町も長い間イスラムの支配下にあって、レコンキスタ(国土回復運動)がさかんだったところ。初代国王の アルフォンソ1世によって、シントラもポルトガルの手に戻った。 赤茶色の屋根と豪邸、それを囲む緑がきれいで印象的だ。

 

ペナ宮

ここは比較的新しくて、19世紀にフェルナンド2世によって建てられた。 スペインのグエル公園を思い出す風景。 赤や黄色の派手な色と奇抜なデザインのお城は、まるでお菓子のお城だが、 これはフェルナンド王が、かの有名なドイツのノイシュヴァンシュタイン城を建てた、 ルードヴィッヒ2世の従兄弟であることも原因しているという。



王宮

ふたつの巨大な煙突がすぐに目に飛び込んでくる。 ここは、14世紀にジョアン1世が夏の王宮として建てたもので、 その後マヌエル1世増築して、現在の形をつくった。 壁一面がポルトガルの伝統芸術でもあるブルーのタイル(アズレージョという) で飾られた「紋章の間」などは必見もの。 他にも「白鳥の間」の天井画も是非みてきてほしい。