カンポ広場
ここは、ヨーロッパにある数ある広場の中で、最も美しいと有名な広場。 確かに下に行くほど低く放射線状になってて、 今までに見たことない印象を与えてくれる。
すり鉢状の地面は9等分に仕切られているが、これはシエナを治めていた9人の君主を 表したものだという。
広場周辺にはカフェやレストラン、またみやげ物の店が並び、シエナ名物のお菓子やワインを買える。 パンフォルテ(写真。右下)はぜひお勧め、日本でいうヌガーのようなもので実に美味しい!。 フィレンツェでも買えるが、やはり本場で。 キャンティワインの試飲もあって、結構楽しめる。

さて、放射線の起点にそびえたつのが、”マンジャの塔” シエナでは道に迷ってもこれを目指せば必ずカンポ広場に出てこれる。 高さ101m、シエナの目印であって象徴なのだ。 ”マンジャ”とはいかげんという意味のイタリア語。 時を知らせる鐘つき男が、たいそう、いいかげんだったのでこの呼び名がついた。 マンジャの塔の横は、プッブリコ宮、今は市庁舎になっていて司法、行政の中心。 国立絵画館にもなっていて、シモーネ・マルティーニの「マエスタ」 などシエナ派の有名な絵がある。
広場ではもうひとつ、”ガイヤの泉”を忘れずに。 14世紀、このカンポ広場に水が引かれたが、市民は喜びのあまり”ガイヤ”と口々に叫んだ。 ガイヤとは歓喜の言葉でそこからこの名が ついた。

 

パリオ 中世から続く競馬競技。 ローマ時代の軍事訓練が起源とされている。 この日はカンポ広場に土を運び入れて、即席の競馬場をつくり、 裸馬に乗って広場を3周する。あっというまの、90秒ほどの ドラマだがシエナ市民は沸き返る。 7月2日と8月16日の夕方にスタートする。
シエナには、コントラーダという17の地区があるが、 それぞれが対抗で争う。 コントラーダごとに中世のコスチュームを着てのパレードも見もの。 コントラーダには、亀、カタツムリ、ヤマアラシなどのユニークな名前があって、 それも楽しい。


ドゥオーモ
シエナのドゥオーモはイタリアゴシックを代表する建築として有名なもの。9世紀に建てられたが、13世紀に なって大改築している。 当時ライバルだったフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フォーレ大聖堂に、負けないもの、というより、 どうしても勝ちたい!と当時計画では世界一のドゥオーモ建設を計画していた。
鐘楼は13世紀のもの。ロマネスク様式で上にいくほど、窓の数が多くなっている。 大聖堂はこのあたりで採れる大理石をつかっているので、白と緑(光によっては黒)が特徴で、 陽射しの中でとりわけ明るく見えた。 聖堂の中に入ると、床には56もの宗教場面 が描かれているが、 それはもう、聖書そのもの。昔はみなが文字を読めたわけではないので、 こういった絵でキリストの教えを学んだという。
改築ではハザードを90度方向転換し、つくりかえようとした。 が、14世紀のペストで街は衰退し、結局は未完のドゥーモとして今に至っている。 このドゥーモがどれだけシエナ市民の心のよりどころだったか・・・・。を 示す話がある。 1260年の通称モンタペルティの戦い・フィレンツェとの戦いは、 戦力としては圧倒的に不利なシエナだったが、 翌日、相手の一瞬の不意をついて、不利な戦局をくつがえし、 見事な勝利をおさめた。 マリアが守ってくれたと、街じゅうが沸き立ったと記録がある。 右斜上の写真は、ドゥオーモ広場の横の建物にあるガラス窓。 ここには、ドゥーモのハザードが逆向きで映る。 ちょっと変わった見学のスポット。