ラッファエロの間

ヴァチカンではミケランジェロのシスティナ礼拝堂と並んで、 世界的に有名なのが、 ラッファエロの間。
4つの部屋からなってるが、やはりここを見ないでは帰れない。 礼拝堂に入る時と同じ、何故かドキドキしてしまう。

もとはユリウス2世が住んでいた所だった。
ユリウス2世は前任者だった、アレクサンドル6世の住居を受け継いだが、 気に入らなくて別に住まいを作らせることに。 すでにあった壁画の絵を塗りつぶして、 お気に入りだったラッファエロに描かせたのである。

部屋は年代順で、
「署名の間」1508〜1512年
「ヘリオドロスの間」1512〜1514年
「ボルゴの火災の間」1514〜1517年
「コンスタンティヌスの間」1517〜1521年


署名の間
ラッファエロが最初に描いたのがこの部屋。 もとは図書館だったが、ユリウス2世がここで 公式文書にサインをしたことから、 こう呼ばれるようになった。 ここには、”信仰””理性””美””正義”などが描かれている。
 
 
『聖体論争』(聖体論議ともいう)
この絵の中心はまん中の聖体で、遠近法。上下に分かれていて、下は地上を示し、祭壇の両脇で真理を議論する聖職者たちが描かれている。 上層は天上を表わし、キリストとマリアとヨハネ、他聖人や預言者、また聖書に出てくる王たちが いる。さらにその上には、神がいて、キリストの足元には聖霊を表わすハト、 これで父と子と聖霊の三位一体となっている。 天使がもってるのは4つの福音書。
 
 
 
『アテネの学堂』
 
最も有名といっていい絵で、 ギリシャ、ローマ時代の哲学者たちが理性を語っている。 背景は多分友人ブラマンテが設計した、サン・ピエトロ大聖堂で、 中央にはレオナルド・ダ・ヴィンチの顔をしたプラトンと、 その横にはアリストテレスがいる。 手前はミケランジェロの顔をしたヘラクリトス、 階段に横たわるのはディオゲネス、と大勢の哲学者が描かれている。 黒板に身をかがめているのは、ユークリッドの格好をしているブラマンテ。 そして、右側でベレー帽をかぶってるのがラッファエロ自身。
 
 
この署名の間では、天井も見て欲しい。
神、正義、哲学、詩を表わすメダイヨンが素晴らしい。