すっかり観光地になってるヴェルサイユだけど、一度は パリから西南に約20キロ、フランス絶対王政時代に何年もの年月をかけて つくられた宮殿がある。 1919年ヴェルサイユ条約の場のもなった、ヴェルサイユ宮殿だ。 ここは、もともとルイ13世の狩猟の館だったが、ルイ14世がパリのルーブルから、ここへ 宮殿をうつしている。 実は、太陽王とも呼ばれたルイ14世だが、 ある日部下の家に招かれ、その豪華さに驚き、 負けじと特別の宮殿をつくろうとしたのが始まりだという。 1661年に着工、当時のパリで集められるだけのお金と人をふんだんに使い、贅沢の限りを尽くして 完成させた。 工事が始まって20年目には、ルイ14世はここへ移り住み、 ひとつひとつ指示をだして、自分のイメージとおりにつくっていったという。 ルイ14世からルイ16世、ブルボン王朝は最盛期を迎えるが、1789年に勃発した フランス革命では、 飢えた市民が、「パンをよこせ!」とここヴェルサイユに押しかけている。贅沢の中で暮らす王たちには、パリ市民の現実が見えなかったらしい。 宮殿と並んで、庭園もすばらしいし、まわりには、ルイ16世の王妃マリー・アントワネット
が愛したプティ・トリアノンや、ルイ15世と愛人ポンパドゥール夫人の館なども点在している。
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